帝京大学ラグビー部を率いる岩出雅之監督

「長時間練習…それでも体育会系指導が勝てないワケ」という読売新聞に掲載されていたラグビー大学選手権で前人未到の9連覇を達成した帝京大学ラグビー部を率いる岩出雅之監督の記事が深く同意するので掲載させていただきます。

こんな指導者が世の中にもっと増えれば主体的にモノを考えて動くことができる「幸せな人」が増えると思います!

岩出監督は、血液検査のデータを基に選手の体調を管理するなどの科学的手法を取り入れた指導で、同部を2009年度から全国大学選手権9連覇に導いた名将だ。大学ラグビー部の監督に就任する前は、滋賀県内の公立中学校や高校で部活動の指導を経験し、同県立八幡工業高校ラグビー部を率いて7年連続で花園(全国高等学校ラグビーフットボール大会)出場を果たした実績を持つ。

 「中学、高校の部活動を指導していた頃、『不在の監督の代わりにベンチに置いた人形に挨拶あいさつする』(という不条理な)儀式を強いるバスケットボール部の指導者や、砂利の上でタックルの練習をさせるラグビー部の指導者の姿を見ました。私も指導者になったばかりの頃は、『俺について来い』と選手を引っ張っていました。早く成果を出して認められたい思いが強かったので、そうした指導になってしまいました。このやり方には即効性があり、一定の成果は出ました。しかし、それより上を目指しても成果を出せなかったのです」

1996年、帝京大ラグビー部を率いることになった岩出監督の前に立ちはだかったのは、早稲田大、明治大など大学ラグビーの伝統校だった。帝京大は厚い壁に阻まれ、大学選手権では13年もの間、頂点に立つことができなかった。2006年度は故障者が続出するアクシデントに見舞われ、初戦敗退の憂き目を見たこともあり、自らの指導を深く省みたという。

 「(『俺について来い』の指導で育った)『指示待ち』の選手は、自分では考えないので、指示されたことをこなす以上の成長はできませんでした。その上、頭ごなしに『意味はわからなくても黙ってやれ』と命令して従わせるやり方は、(選手にとって)楽しくないので、やる気も引き出せませんでした。『(強敵を倒し)さらに上に行くためには、どうすればよいか』を選手が自ら考え、創意工夫する道を私がふさいでいました」

 岩出監督が見いだした活路は、「脱・体育会系」――指導者に最初から従うような指導ではなく、選手たち自身に考えさせること。そして、主体的な参加を通じてラグビーというスポーツを「楽しむ」ように仕向けることだった。

 「私は、アドバイスする際は抑圧的にするのでなく、選手たちに考えさせ、その結果を言葉にして説明させるようにしました。やるべきことを具体化して意識させ、納得した上で取り組ませるようにしたのです。次第に、選手たちは自ら進んで考えて行動するようになり、やる気を見せるようになりました。練習や試合を『楽しむ』選手が増えました。こうした積み重ねの結果、組織全体が活性化し、9連覇につながったと感じています」

とはいえ、競技スポーツはライバルと競い合い、最終的に上回ることを目指すものだ。そのためには厳しい練習で自らを鍛え、限界を超える努力を続けなければならないはず。「楽しむ」ことで本当に成果を出せるのだろうか。

 平昌冬季五輪でカーリング女子日本代表は「スポーツを楽しむ」姿勢を見せながら、同種目ではわが国初のメダルを獲得した。「楽しむ」ことの効果は心理学的にも裏付けられているという。

 「人は好きなことを、夢中になって没頭して、楽しんでやっているときの集中力は高い。こうした状況は『フロー』と呼ばれ、最も良いパフォーマンスができるといわれています。だから、『スポーツを楽しむ』ことは上達や勝利につながりやすいのです」

 「アメリカの心理学者、エドワード・デシ氏らの研究でも『やること自体が楽しいから取り組む』という内側から湧き上がった動機は、最も力になるとされています。この研究では、『できないと罰を与える』『できたら報酬をあげる』という『アメとムチ』的な指導は、『やること自体が楽しい』という自律的な取り組みよりも、やる気を引き出す要素としての順位が低い、としています」

 この研究結果には二つの意味がある。「できないと罰を与える」といった体育会的な指導だけでなく、「褒めて伸ばす」型の指導法にも疑問を投げかけているのだ。

 「『アメ』も駄目なのかと意外に思われるかもしれません。アメリカの心理学者、マーク・レッパー氏らの実験ですが、絵を描くのが好きな園児に『上手に絵を描けたら賞状をあげる』『何もあげない』という条件を分けて比べてみると、何ももらえなかった園児は意欲に変化はありませんでしたが、賞状をもらった園児は『自律性が損なわれ、意欲が低下した』という結果になりました」

 「自分自身が楽しむために絵を描く行為が、報酬欲しさの『仕事』に変わってしまうと、自律性は失われます。心理学用語で『アンダーマイニング効果(基礎を掘り崩す)』といい、『褒めて伸ばす』ことにも注意が必要であることを示しています。上記の例では『うまく描けた』という結果だけを褒める(賞状を与える)と、『褒められたいから』という報酬への期待が生じてしまいます。この場合は、描くまでの『努力の過程』を褒めることが、自律性を損なわないやり方だとされているのです」

帝京大医療技術学部スポーツ医療学科の教授でもある岩出監督は、科学的手法のほかに、こうした心理学の要素も取り入れて選手たちを指導している。「脱・体育会系」で選手たちが「スポーツを楽しむ」環境を作り出す上で、特に重視していることが二つあるという。一つ目は練習時間だ。

 「長時間の練習や授業前の早朝の練習(朝練)には効果がないと感じています。長時間で休みのない練習では、選手たちが集中力を欠き、疲労もたまってケガにつながりやすくなります。大事な試合前にケガをすれば、結局、勝利にはつながりません。一方、朝練は学生の場合、必ず(その後の)授業がおろそかになります。だから、帝京大ラグビー部ではやっていません。授業は記憶力や理解力のトレーニングにもなります。豊かな人間になるためにも、スポーツに費やす時間と勉強に費やす時間のバランスが大切なのです」

 「練習時間を増やせば、技術力が向上するというのは間違った考え方だと思います。練習では状況に応じたプレーや戦術を学びますが、脳がボーッとした状況では、覚えが悪く、効率も悪くなります。睡眠時間の確保も大切です。疲労回復だけでなく、学生(や生徒)の場合は(身体の)成長にも不可欠だからです」

 もう一つは、選手一人ひとりの個性をしっかりと見極めることだ。一生懸命やっているが技術不足やプレーに対するイメージができないことから成果がなかなか出せない選手を「カメ型」、すぐにできてしまう選手を「ウサギ型」と分類している。

 「選手に競争させて少数の勝者をつくり、それ以外の落ちこぼれを作るというやり方では、(チーム内が)ギスギスした人間関係となり、組織力は低下します。『カメ型』の選手は焦らせないようにして、少しだけ上の目標を設定して導いてやると、急にできるようになるときが来ます。『ウサギ型』は油断したり、チャレンジ精神が落ちてしまったりするので、こちらにも少し上の目標設定をしてあげて、チャレンジ精神をくすぐっていく方法で導いていきます」

スポーツ庁が中学校の部活動のあり方を見直す動きを見せるなど、学生や生徒のスポーツ指導のあり方は変わらざるを得ない状況だ。戸惑う指導者も多い。インタビューの最後に、岩出監督に昔の自分の指導も振り返り、目の前の結果にこだわって“体育会系”になってしまう指導者たちへのアドバイスを聞いた。

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