北九州に出張で行ったついでに、山口県の萩市まで足を伸ばし、かねてから訪れたかった松下村塾に行ってきました。
松下村塾とは、幕末期に吉田松陰が主宰した私塾です。
松陰は身分や階級にとらわれず塾生として受け入れ、わずか1年余りの間で、久坂玄瑞、高杉晋作、伊藤博文、山県有朋、山田顕義、品川弥二郎など、明治維新の原動力となり、明治新政府に活躍した多くの逸材を育てました。
松陰が、入門を希望する若者たちに真っ先に聞いていたのは、
「なんのために学ぶのか?」学ぶ理由でした。
「文字がよく読めないので本をスラスラ読めるようになりたい」
そう生徒が答えようなものなら、
「なんのために本をスラスラ読めるようになりたいのか?」と問いました。
「本を読めるようになることも、文章がうまくなることも、そんなのはとるに足らない些細なことだ」と。
松陰は「なんのために学ぶのか?」を突き付けて、ひとりひとりに
「立志」(生きる理由)ココロザシを立たせたのです。
「何を目指すのか」よりも、もっと大事なのは、
「なぜ目指すのか」
なんのためにそれをやるのか?
なんのために生きるのか?
つまり、「生きる理由」です。
それはそのまま、人生を「あきらめない理由」となります。
松陰はいいます。
「世の中に本を読む人は多いのに、本物の学者がいないのは、学問をする最初の志がすでに間違っているからです」
「井戸を掘るのは水を得るためで、学問をするのは人の生きる道を知るためです。水を得ることができなければ、どんなに深く掘っても井戸とはいえないように、人の生きる正しい道を知ることができなければ、どんなに勉強しても、勉強したとはいえないのです」
引用 著者 ひすいこうたろうさん 著作 人生最後の日にガッツポーズして死ねるたったひとつの生き方
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